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【S×A】だから人生は素晴らしい

第3章 First Love






ウチに帰って、部屋に直行して……


直ぐに全身を鏡に写した






スカートのプリーツが一部分だけ不自然で


黒い糸で縫ったはずなのに、
縫い目がはっきりとわかるくらい、それは酷いものだったけど……





必死な顔で、やってくれてるあの顔が、


なんだかすごく嬉しくて……
あんな派手で、軽そうだったのに……


意外だったなぁ…って





ママに見つかったら、
また何言われるかわからないから


着替えて、
スカートはクローゼットにしまって


予備に置いてあったスカートを、ハンガーに掛けておいた







今日は、朝から憂鬱で
学校にも行けなかったけど……


少しだけ、気持ちがラクになった気がした






成績が落ちたって、ママに散々お小言いわれて、何かと直ぐ比べられる


別にイジメにあってるわけじゃないけど
なんとなく、一緒にいるグループの女の子達の前では


偽った自分がいる


もやもやして、
何もかもが中途半端で



自分のすべてが、嫌いだ











鏡に写る私は、

なんて……ちっぽけなんだろう








変わりたい



全部



全部





衝動と思いつき




何か、したかった





不意に浮かんだ、
名前も知らない男の人




キラキラと、無邪気に笑う顔が眩しかったから



あんな風に笑えたらなって思ったんだ







肩より長い黒髪を掴んで……





鏡の中の自分を見つめた







“カワッテミヨウカ”







もうひとりの私が、
そう言って、私の背中を押した








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