第2章 意味ない生活
「お前さ…
毎日何してんの…?」
スーツに着替えて、
コーヒーを口にしながら
ソファーに寝転んで
半分寝ているマサキを見下ろす
「うーん。思うがまま?」
「(笑)」
「あ〜、でもさ?
今日はデート、かな?一応」
ふあーっと大あくびをしながら、
ムクッと身体を起こして、キッチンに向かうと
俺がセットした、
エスプレッソをカップに入れてる
「…デート?」
「うん。なんか、成り行き?」
「成り行きって、ナンパかよ?」
「ううん。逆だよ?
誘われたの」
カップを傾けながら、
キッチンスペースに寄りかかって……
特に何も考えてないみたいだけどさ……
なんだ……?
この、モヤモヤと苛つきは
「あ、しょーちゃん!
食費から、ちょっとだけ、遣ってもい?」
「は?」
「メロンパンのお礼に、
ジュースくらい買ってあげたいし」
なに……ニコニコ笑ってんだよ
そんなに楽しみなんだ?
「あ、遣った分は、
ちゃんと身体で返すしさ?
なんてね」
「………」
からかうみたいな目線を向けるヤツの姿
俺が慌てるとか、思ってんの?
……何かのスイッチがオンになる
そうだ
昔、遊んでた頃
“翔くんって、Sだよね”
“見た目とチガウ”
そう、女に言われた時と同じだ