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【S×A】だから人生は素晴らしい

第1章 Look at the skies








「なに……?」



黒目がちな瞳だとさ、
そーゆー、情けない顔すると

可哀想な、捨て犬みたいになんだよな



なんで、そんな顔で俺を見んの





「しょーちゃん。ゴメンね?」

「は?」

「なんか、余計な心配させちゃったよね?」




コイツの言ってる意味がわからない




「一週間もいるつもりなかったんだけどさ。

…もう、わかってくれたよね?」


「何を…?」

「俺、しょーちゃんに悪いことするつもりもないし、
バカだから、エッチした事だってすぐ忘れちゃうし、大丈夫だよ?」




ドクンと跳ねた心臓は


どんどん速度を増してく




もしかして、コイツ




「そろそろ、出てくから」




ニコリと優しい笑顔を見せて……


お前は、
俺の汚い気持ちに気付いてた?


だから、あえて
気付かないフリして、居てくれたっての?



何だよ、それ



苛立ちと

何もかも見透かされていた羞恥心



思い通りにならない人生



いろんな感情が入り交じって……



ヤツの言葉に何も言い返せなかった









「最後にさ?

俺が晩ごはん作ってあげるね」





腕捲りしながら、
にこりと目尻に皺を寄せて…


ヤツは、冷蔵庫を開けに行く







「えっとぉ、卵くらいしかないしさぁ……

得意のオムレツ作ろっかな」





黙ったまま、
ヤツの背中を眺めてた


何が、得意だよ




なんで……

それだけの為に、ここにいたんだよ



お前はバカでいいかげんで単純で……



利用出来たら追い出そうって……




だから、

仕方なく置いてやってたんだ



この一週間



ただ、それだけの理由で







「わ、アッチィ…

……っと、」




危なげな様子で、
フライパン揺らして


部屋にはバターの匂いが広がる





手間が省けたじゃん


俺が言おうとした事を、
自分から言ってくれたんだから


明日の朝には、
元の生活に、戻れるんだ








元の、……生活に




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