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【S×A】だから人生は素晴らしい

第8章 ハリボテノシロ






電話、メール。

学校から帰ったら、楽しそうにママとお茶をしていたり。



アリサさんは、

笑顔でまだかと催促してくる。



メモと薬を渡されて、1ヶ月になろうとしていた。



「ちゃん、私

付き合って貰いたい所があるの。いいかしら?」

「……」

「行ってきなさい。
アリサさんが誘って下さってるのよ」



お兄ちゃんのことで後ろめたさもあるママは、
アリサさんの御機嫌取りで必死だ。



無理矢理連れ出されて、

アリサさんの車の中、
人工的にも見える美しさが空間に緊張をもたらす。




「ちゃんは、
もう、マサキさんのこと諦めたってこと?」

「……私っ」

「もういいわ。
そういう事なら、別の方法にするから」

「別の方法…って……」




嫌な予感しかしないのに……

アリサさんは何を仕出かすかわからないって思ってるのに……





「ちゃんには関係ないでしょう?
協力し合う気ないんだもの。
言ったじゃない。私は翔さんさえ手に入れば問題ないって」



マサキさんに、何をするつもりなの……?

お兄ちゃんと引き離すために、恐ろしい事を考えてるはず。




「どうするの?

私、もう待てないのよ」



イラついた様子で、口調も徐々にキツくなる。

それを阻止するには、私が動くしかなくて……





「…やります私。

だから、マサキさんに
手を出さないで下さい……」

「そう。良かった!

ちゃんとは仲良くなれそうだわ」





目の前のアリサさんの笑顔は

私を追い詰めるだけで、この事が無かったとしても

決して仲良くなれることはない。



アリサさん自身も
本当に仲良くなりたいなんて思ってないのはわかってる。


大切なのは、都合良く動いてくれるかどうかだけ。


私が今、ふたりに……
マサキさんに出来ることはきっと


守ることしかないんだ。




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