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【S×A】だから人生は素晴らしい

第7章 願うのはひとつ






「乾杯!」




缶のまま乾杯し、冷たく冷えたアルコールを
一気に喉に流し込む。






「就職おめでと~!」

「いつまでもボーッとしてる訳にもいかないしな」

「そうだけど。もうちょっとゆっくりしても良かったのに。

俺だって仕事決まったしさぁ……バイトだけど」




新しい場所での生活。

3週間が経つ頃には、ふたりの仕事も決まり

なんとか軌道に乗り始めた。




しょーちゃんは、今までの経験が活かせるだろうからって、外資系の会社に就職が決まって。

俺は、ペットショップでのバイトが決まった。

収入面で差があるのはやっぱり気になってて、
掛け持ちも考えてるのは、まだしょーちゃんには内緒にしてる。

決まってから言ったら何も言えないでしょ。




「お、うまそー。

なんか最近料理の腕上げた?」

「ふふ、そう?嬉しいな。

たくさん食べてね」




スーツからスウェットに着替えたしょーちゃんは、

出来たての生姜焼きを美味しそうに頬張ってる。




「しょーちゃん、前から思ってたんだけど、リスみたいだね(笑)」

「えー?

どこがだよ」

「どこがって。まんまじゃん」






しょーちゃんのマンションに転がり込んでた時とは明らかに違う。

ふたりで刻んでいく時間。

一秒一秒が大切だって、生きてるんだって実感してる。



毎日が愛おしい。








「あ……ッはぁ……」

「…バカ……声、抑えろって

壁薄いんだからっ…」

「っん、

じゃぁ、てかげんっして…よ…」




男2人で寝るには小さいベッドで重なって。

感情のままに繋がって。

欲を吐き出したら、深い眠りに堕ちる。





愛すること

愛されること


自分の存在にも、意味があるんだって思えた。




気づけば俺は、

魘されず眠れるようになってた。





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