第7章 願うのはひとつ
狭い空間に籠る熱
逆上せた身体は、ガクガクいってて力が入らない。
刻まれる感覚に幸せを感じて、
女みたいな自分の喘ぎ声でさえ、恥ずかしさなんてなくて……
このひとが少しでも悦んでくれるなら、なんだって出来るって、そう思えた。
「……ナカ…ごめんな」
散々貫いといて、
今更そんな眉下げて可愛い顔見せたってさ。
悪気なんてないじゃん。
一瞬口角上がったの見逃さなかったよ。
全部受け止めた証が、太股を伝って
シャワーの水と共に排水口へ流れてく。
「すげぇな。
まだ出る」
綺麗にしてやるって指を埋めてきたしょーちゃんは、
他人事みたいにそんなこと言って。
「夜もシたのにねー
元気だねー笑」
「夜は夜だろ。
ってかさ」
「え?
あ、あんっ!」
ぐるりと中を弄られ、指を引き抜くと
体液が溢れて、また全身が粟立つ。
「まだ終わりじゃねーよ。
時間なんて幾らでもあるんだし」
立たない腰を無理矢理抱き抱えられ
バスルームを後にした。
「いい加減ふやけるわ。
やっぱりベッドのがヤりやすい」
「……なんか、
出会った頃のしょーちゃん……詐欺だよね。
あんな可愛いかったのに」
「ん?
なんだよ。まだ余裕だなお前」
縺れながらベッドに身体を埋めて
しょーちゃんの熱を何度も受けて
痛いくらいの刺激も
頭が痺れるような感覚も
喉も焼かれたみたいに声も掠れて
なのに、
幸せだなんて不思議だよね。
「マサキ、お前泣いてんの…?」
「……泣くでしょ。
だって今日何回シたと思ってんの。
あちこち痛い!」
しょーちゃんにそう訴えたら。
「……仕方ねぇだろ。
お前が悪いんだからな」
ちっとも悪怯れた様子を見せないから、拗ねたフリをしてみる
「……愛してるよ」
……狡いよ。
不意打ちで届いた優しい声に
また、涙が溢れた。