第5章 答えは始めから決まってる
早急に繋がりを求められた身体は
準備なんて出来てなかったけど
無理矢理高められていくうちに、自ら腰を揺らしてた
気持ちなんか着いてかなくても、
快楽を覚えた身体は簡単に淫らに開いて……
それとも、奥底にしまい込んだ気持ち故に、こんなに感じてしまうのかな
擬似の繋がりでさえ愛しくて
散々、腰を押し付けられて
中に吐き出された欲を感じた時には、掠れた声も出せず肩で息してた
つい数時間前まで、恋人みたいだった甘い時間は
やっぱり幻なんだって思い知らさせる
苦しくなると同時に安堵もしてる自分
お互いに間違えないで済む選択
しょーちゃんが真っ当な道を歩く為に、
そろそろ寄り道はやめなくちゃなんない
そして、俺も
いつまでも勘違いしないで、
早く元の空っぽな毎日に戻らなきゃ……
「…はぁっ、もー。
しょーちゃん、激しんだから。
気をつけなよ。女の子にいきなりこんな風にしちゃったら嫌われちゃうよ?
俺は強引なのもけっこー好きだけど……」
ずり下げられただけのスウェットとパンツを正して
背中を向けたまんまのしょーちゃんに笑って言った
「…だな。
気をつけるよ」
温度のない冷たい声
「…まじ、お前といると楽だわ。
いっつもヘラヘラして軽いから」
作り笑顔が崩れそうで
必死に唇をぎゅっと噛み締めた
「へへ……でしょー
気持ち良ければなんでもいいしー」
遠い記憶が一瞬舞い戻った
忘れたと思ってたのに、やっぱりまだ消えてなかったみたい
“アイツはいつもヘラヘラして
見てるだけで苛つくよ”
しょーちゃんが背中を向いててくれて良かった
たぶん俺、情けない顔してる
泣きそうな、同情を買うような、
狡い顔してるに違いないんだ