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【S×A】だから人生は素晴らしい

第4章 ありふれた日常


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「ちゃん、

ちょっといい?」



またいつものお小言だって思って

メンドクサイのが顔に出ない様に気を付けながら

ママの向かいの席に座った



「どうしたの?」

「これ見て頂戴」



テーブルに置かれた数枚の写真に、血の気が引くのがわかる

途端に心臓が煩く鳴り出して、スカートの裾をギュッと握りしめた



「最近、ちゃんの様子が可笑しいから調べさせたのよ。

わかってるわよね?ママが言いたい事」

「ママ!誤解してる!
マサキさんはね、私の事助けてくれて…」



立ち上がって話し出した私に、冷ややかな視線が突き刺さる



「わかってないのよ。貴女はまだ子供だから。
悪い事は言わないから会うのはもうやめなさい。ちゃんの為を思って言ってるの」



私の言葉なんか聞こえてないみたいに、態とらしい言葉ばかりを並べて……

やっぱりママは、何にもわかってない



少しは…もしかしたらわかってくれるんじゃないかって思ったのに…


私がママに寄り添えば、ママだって
私の事わかろうとしてくれるって思ったのに…

そんな風に思えるようになったのも、

全部……マサキさんのおかげなのに……



「今日、お兄ちゃんにも話しておいたから。

わかった?」

「え……」

「あんなだらしない男と、付き合いがあるなんて知られたら…何て言われるか」



パパに知られると困る…ってこと?

どうして?マサキさんの事、何も知らないのに?



すごく優しくて、

あの人が笑うだけで、あったかい気持ちになれるのに


そんなひとに私は初めて出会ったのに……



「いいわね?
もう、お兄ちゃんのとこに行くのは止めなさい。

貴女はもう少し行動に自覚を持って…」



ママの言葉なんか、頭に入って来なかった

せっかく再会出来たのに……

どうして理不尽に会うことを禁止されなきゃいけないの?




今日は帰ってくるはずだったお兄ちゃんが居ない理由がわかった

きっと同じ事言われて帰ったんだ……


この家の何もかもが嫌だった

そう思っても、私はお兄ちゃんみたいに別の場所なんてないから

悔しくって
自分の部屋に閉じ籠った



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