第4章 ありふれた日常
冷えた身体に
ぎゅう、と伝わる温度
徐々に溶けるように交わってく
抱きしめられた腕を強く引き寄せると
身体ごと、俺の前に飛び出たマサキの頰を掌で包んだ
ぶつかる視線は
俺の考えてることも
欲求もわかってるかのように
マサキの方から唇を合わせてくる
熱い舌を受け止め、絡めながら
次第に貪るようにマサキを味わった
漏れる吐息も逃すまいと、執拗にキスを繰り返す
「……ン…しょ、ちゃ…ぁ」
加減する事ないまま、華奢な身体を壁に押し付け
そのまま首筋に歯を立てた
呻くような声と荒い息遣い
鼻腔を擽る甘い匂い
もしかしたら、今まで抱いたどんな女よりも
コイツの匂いが肌に合うかも知れない
「しょーちゃ…ベッド…行かないの…」
絶え絶えの濡れた声に
ココでいい、と囁いて
そのまま耳穴を、窄めた舌で舐め上げる
感じる様を目に焼き付けながら、シャツを捲り上げ
既に立った尖りを摘む
ビクンと震わせた身体が艶めかしく乱れてく様は
何度見ても綺麗だと思う
間接照明に浮き出る身体は
触れる度にしっとりと汗ばんで素直に跳ねて
柔らかさも丸みもない、同じ性を持つ存在なのに
どうしてこんなに魅入られてしまうのか
湧き上がる欲を本能のまま曝け出して
ただ、貧欲にマサキを求めた
柔らかい茶色い髪が
意味をなさないシャツが
淫らに揺れる身体が
針で留められた蝶みたいで……
このまま、こうして
俺の元に置いておきたいなんて思う自分を、他人事みたいに感じてる
無理矢理別れさせられたことは今まで何度もあった
なのに、かつて此処まで……
どうしてだろうな
愛を囁き合った仲でもないのに
こんなに
求めてしまうのは