第22章 アンケート1位記念。
だが、上鳴に抱きしめられたことで、割と心が落ち着いたのか、咲良はふぅ…と息を吐くと、なるべく落ち着いて母親に語りかけた。
『いい?お母さん…
まず、私は浮気はしてない。
裕太の浮気現場をみた後、その人と出会ったの。
あと、裕太とはヨリを戻すつもりはない。
今、私その年下の人と付き合ってる人がいるから…
プロポーズもしてくれたし。
その人と結婚する。』
そう説明すれば、電話口の母親は手のひらを返したように声を色めきだだせた。
「まぁ!!プロポーズされてんの!?
それ早く言いなさいよー。
あんたはいっつも報告が遅いのよ!!!」
絶対に自分の非を認めないのは、私が1番母の嫌いだなと思うところでもある。
でも、納得してくれたようでよかったと、適当に話を終わらせようと思ったところで
もちろん、母親は私を離してくれるはずがなかった。
「どんな人?なんで連れてこないの?
こういうのは家族と家族の話でもあるんだから、勝手に決めないでよ…。
ちょっと常識がないんじゃない?」
思わず壁を殴りそうになった拳を握り、耐える。
もう、今すぐ電話を切りたい。
電話を切って、ついでにこの母親との縁も切って、どこか遠くに行きたい。
誰も私を知らないところ。
ハワイとか。
極端に思考がバカになる。
バカにならないとやっていられないからだ。