第7章 ひと段落
『お父さんどんな顔するかな~』
翌朝私はすぐに準備を整えてお父さんが入院している病院までやってきた。久しぶりに会うこともあって少し緊張しているけれど!それよりも早く会いたいという気持ちの方が優っている。私はまず受付に向かった。すると、見慣れたあの頭が目にはいる
『え、焦凍くん…?』
轟「!マナ…どうしてここに」
受付にいたのは焦凍くんだった。受付の女の人が、「この子もテレビの子や…」とつぶやく
『お父さんのお見舞い。焦凍くんは?』
轟「俺は…ちゃんと、けじめをつけにきた。お母さんに、会いに…」
『そっか…震えてる』
轟「決心はついた…けど、やっぱり怖ェよ」
歩きながら話す焦凍くんは、緊張と恐怖で覆われていた
『……大丈夫。焦凍くんのお母さんだもん…きっと、焦凍くんのお母さん、嬉しいと思うよ。こんなにも自分のことを想ってくれる息子がいるんだもん…嬉しくないわけがない』
ぎゅっと少しでも震えが止まるように彼の両手を包み込んだ。私にできることなんて、これくらいしかないから。
轟「…ありがとう」
『どういたしまして…?』
焦凍くんがある一部屋の前で立ち止まった。どうやらここが焦凍くんのお母さんの部屋らしい。
すると、彼は私の腕を掴んだ
轟「マナも一緒に来て欲しい」
『え!?』
轟「俺1人じゃ、お母さんも不安がるかもしれない」
私がいてもいいのだろうか?邪魔じゃないかな?そうは思ったけれど、こんなに不安そうにしている焦凍くんを1人にするのはなんだか躊躇われた。
『…わかった。じゃあ、私も挨拶するね』
轟「ああ。…ふぅ…」
一息ついて、焦凍くんはドアを開ける
そこには、焦凍くんの半分と同じ真っ白な髪をした綺麗な女の人が椅子に座っている。彼女の美しい白い髪が光が反射してとても美しく眩しかった。
轟「…お母さん」
母「……焦凍…?」