第7章 ひと段落
焦凍くんは私の手をぎゅっとにぎった
そして
轟「俺…ごめん。お母さんに、辛い思いばっかさせちまった」
母「!!!何を言って…ひどいことしたのは私だわ…本当に、ごめんなさい…ごめんなさい…ッ!」
焦凍くんのお母さんはその場で泣き崩れてしまう
やっぱり、焦凍くんのお母さんは、焦凍くんが大切なんだ。大切だからこそ、こんなにも苦しそうに謝っているんだ。私はそんな彼女の姿に涙が溢れそうになる。
轟「俺、やっぱりヒーローになりてえ。そのためには、この左側も使わねえと…先に進めないんだ。お母さんが嫌いなこっち側も…」
母「焦凍、あなたはあの人じゃないわ…あのときは、混乱してしまったけど、あなたはこんなにも優しい子なんだもの…何にも捉われずに、なりたいように突き進んでほしい。それを見ることが、私の幸せでもあるのだから…」
轟「!!…ああ」
焦凍くん、嬉しそう。今まで強張っていた顔が嘘のように和らいで、緊張が解けている
すると、
母「ねえ、その女の子ってもしかして焦凍の彼女さんかしら?ごめんなさいね、こんな姿で…」
『え!?そ、そんな!わ、私焦凍くんのクラスメイトの甘風マナです!あの、焦凍くんとはそういうのじゃなくて、その…』
母「まあそうなの?焦凍がすごく気を許しているようだから、そうなのかなって思ってしまって」
轟「…そのうち、なる」
『!もう、ホントにどこでもストレートだね焦凍くんは!』
母「ふふ。でも、焦凍の彼女があなただと私も嬉しいわ。また今度は一緒にお茶でもしましょうね?」
『ええ!?そんなめっそうもない、、お、お茶はぜひさせてください…!』
母「楽しみにしてるわ」
そうして焦凍くんのお母さんとの対面はおわり、焦凍くんとともに部屋を出る
轟「…お母さん、笑ってた」
『うん、綺麗な笑顔だったね』
轟「俺…ヒーローになる。オールマイトも、クソ親父も超える」
『今の焦凍くんならなれるよ、絶対に』
轟「マナ」
『ん?』
轟「ありがとう」