第15章 15章 仮免試験に向けて
『……え?』
半分野郎がいいのかよ…?半分野郎って、焦凍くんのことだよね?焦凍くんがいいって…なんで!?
『なっ、なんで…』
爆「あんだけでけえ声で話してりゃ聞こえるわ」
今日のみんなの恋バナのことだろうか、それともこの前の響香との話の時だろうか。わからないけど、あの話を聞いて私が焦凍くんを好きって思ったってこと…?
『あっ、あの恋バナは…みんなが好き勝手いってるだけで、別にほんとに好きってわけじゃ…』
爆「……こっち見やがれ!」
『え……っ!?』
突然、ガシッと顔を両手で包まれ、目の前に勝己くんの顔が迫る。恥ずかしくて逸らしたくても、ガッチリと顔を固定されていて動けない。近い、近いよ…!
爆「ずっと半分野郎ばっかり見やがって。クソ腹立つ!!なんでこんなにテメェは俺をイラつかせるんだよ、アァ!?」
『っ、な、んで…そんな風に怒られなきゃいけないの…?か、勝己くんには、関係ないじゃない!』
私が言葉を放つと、勝己くんは目を見開いた。そして、一瞬だけ、傷ついた顔をしたようにみえた。が、すぐにまた怒りの表情となり、言葉を発した。
爆「関係ねぇ、だ…?ねぇわけねぇだろ…!テメェ、この前俺が言ったこと忘れてんのかよ」
『この前って…?』
爆「興味ねえ女に名前なんて呼ばせねえ、そう言ったよな」
響香と恋バナをしていた時のことだ。あのときは、すぐにみんなが来たから意味は深く考えなかった。けど、まさかそれって…
『!い、ってたけど……でも、それって…』
爆「意味わかんねえわけじゃねえだろ」
ギラギラとした勝己くんの瞳が、私の瞳を捉える。いつもの彼とは違う、獣のような瞳だ。その瞳に少しの恐怖を感じていると、突然勝己くんが力を込める。体重をかけられ、そのまま私は床に倒れ込み、勝己くんが覆い被さる形となった。
『かつき、くん…?』
爆「…こんな時間に、男の部屋に一人で来るって、どういうことかわかってんのかよ」
『っ、だって…!』
私が弁明する間もなく、体を押さえ込まれ、ぐっと顔を近づけられる。
爆「言い訳は聞かねえぞ。……来たのはそっちだ」