第7章 ひと段落
切「お、おう…ってか、その切島くんやめね?名前でいいぞ?」
瀬「あ、じゃあ俺も!女子とか上鳴は名前で呼んでるし羨ましかったんだよな~!」
耳「え〜ウチらの特権だったのに」
たしかに私は基本女の子と電気くらいしか名前で呼んでいない。焦凍くんだって、ついさっきの話だ。響香ちゃんは私が男の子を名前呼びするのを少し嫌がったけど、私もみんなと仲良くなりたいし、名前で呼んでみることにする。
『鋭児郎くんと、範太くん?』
切「おう!じゃあ俺も名前で呼んでいいか?」
瀬「俺も名前で呼んでいいか?!」
『いいよ!むしろ、名前の方が短いし呼びやすいでしょ?あ、鋭児郎くんは長いからじろーくんて呼ぶね!』
上「やべえぞ、幼なじみの特権が…!!」
耳「ウチのことも響香でいいよ?ウチだってマナつて呼んでるしさ」
電気に追い打ちをかけるように響香ちゃんが私に言った。お、女の子を呼び捨てなんてできるかな?と思いながら口にしてみる。
『き、響香…?』
耳「うん。それがいい」
響香も照れたように笑ってくれた。それが嬉しくて、何度も響香って呼んでしまうと、頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。
上「あああ、俺の特権がどんどん消えていく…!」
瀬「今までずっといい思いしてたんだしいいだろ?ってか、爆豪はいいのかよ?」
爆「…あんとき呼んだろうが」
『…応援のとき?』
切「え、爆豪もしてもらったのかよ!」
『決勝前にね。ほら、焦凍くんだけじゃ不公平だから』
上「まてマナ、おまえなんで轟のこと名前で…」
『あっ、あああえっと、し、仕返し!焦凍くんが!突然名前呼んだりしたから!』
焦凍くんのことを話題にされるとやはり動揺してしまい、みんなに怪しまれてしまった。だって、あんなに真剣に好きだと言われたの初めてなんだから!そりゃあ意識してしまうのも当たり前だと思う。
瀬「その慌て具合が怪しいな…」
『な、なんでもないの!ほら、早く食べよ!ね、かつきくん!』
爆「っぐ!て、てめ、突然呼ぶな!」
上「マナってすげえな」
何がすごいのかわからない。けれど、やっぱりみんなを名前で呼ぶのは仲良くなれたようでとても嬉しい。
そんな暖かい気持ちで私たちはまた会話しながらご飯を美味しく食べ、また明後日ね、と別れた