第6章 体育祭
爆「ん」
爆豪くんが私に左手をさしだす
私の左肩を気遣って逆の方を出してくれてるのか、単に右手の指を石化させられたから左手を差し出しているのか…どちらにせよ彼の厚意であることに変わりないため、それに甘えてその手を取る。
『楽しかった。今度は勝つから』
爆「怪我したてめえに勝っても仕方ねえよ。次は万全にしとけ」
『うん!』
そうしてお互いフィールドを後にする
その後、私は急いで爆豪くんの元へ向かった。もちろん、彼の指を直すため…そして激励を送るためだ。
『石化解くね…このまま決勝やったらさすがに爆豪くんでも負けるかもしれないでしょ』
爆「この程度で俺が負けるか!あいつも半分なんだぞ!」
『でも、あなたが目指すのは完膚なきまでの優勝でしょ?だったらほら、少しでも万全にしよ』
私は爆豪くんの手を取り、キスをおとす。すると、彼はすぐさま右手を私から勢いよく離した。そして私と右手を交互に何度も見ている。
爆「なっ、にしやがる!!」
『え?前もやったでしょ?こうしないと石化解けないの』
爆「誰にでもやんのか!?痴女か!」
『ちっ…!?それは失礼すぎる!』
治してあげたのに痴女って!あまりの理不尽さに私はカチンとくる。そりゃあ、彼女でもない人にこんなことされて嬉しい人も少ないかもしれないけど、こういう個性なんだから大目に見てほしい。
リカバリーガールだってチューしなきゃいけないのは同じなんだから、これくらいは仕方ないと爆豪くんだってわかるはずだし。
爆「他のヤローにまでんなことしてんじゃねえよ!!」