第6章 体育祭
「お前…同……何……感じ…って……だ。緑谷………」
??だれか話してる…この声は…轟くん?それに緑谷って…
その声の方に向かうと
『んぅ…!!』
突然、誰かに後ろから口を塞がれ体をとらわれる。すこし怖くなって上を向くと…
(ば、爆豪くん!?)
爆「静かにしてろ」
どうやらこっそり聞いてるらしい彼。つまり、私にも聞けということかな…そのまま近くの壁にもたれかかりながら話を聞くらしい。…口の手は離してくれてもいいんじゃないの?とはいえず、黙って大人しく爆豪くんに身を任せることにした。
轟「オールマイトの隠し子か何かか?」
え?緑谷くんが?
彼の突然のその言葉に思わず反応してしまった。確かにお気に入りっぽいし…個性も似てるし…え?ホント?それは気になると思ってちょっと乗り出し気味に話を聞いてしまう私を、ぐいっと爆豪くんが引っ張って制した。そんな見つかるくらい乗り出たりしないよ。
緑「ち、違うよそれは!もし本当に隠し子だったら違うって言うに決まってるから納得しないと思うけどとにかくそんなんじゃなくて…」
必死に否定してる緑谷くんの慌てた声が聞こえる。私も黙って彼らの話に耳を傾けているが、そんなに焦るとものすごく怪しい。それは当然、目の前の彼も感じているらしい。
轟「そんなんじゃなくて、って言い方は少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな」
緑「…___」
轟「俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ、万年No.2のヒーローだ。おまえがNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は尚更勝たなきゃいけねえ」
怖いくらいの冷たさが伝わってくる。心なしか肌がピリピリと痛む。緑谷くんに向ける執念というか、朝の宣戦布告もそうだけど、彼の行動はお父さんがエンデヴァーだということに関係があるのかもしれない。けれど、私にはそれがどういうことなのか全然わからなかった。