第6章 体育祭
2つ目のステージ。目の前は断崖絶壁。さてどう渡ろうかと考える間もなく私はその場で投げキスをして、自身が乗れるハートを出現させる。
『飛んじゃえば関係ないよね!』
ハートに飛び乗ってそのまま浮遊し、素早く崖の上を駆け抜けた。これはラッキーだ。
《甘風ハートにのって飛んだぞー!!いけ!がんばれ甘風!…って、轟も早いぞ!?》
ここで轟くんを追い抜いたかと思ったけど、案外まだすごく近くにいた。
《早くも最終関門、一面地雷原!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!目と脚酷使しろ!》
飛んでる私にこれ意味あるのかな?しかも最終ってことは…これを抜ければもうゴールだ!
《甘風ラッキーだな!この種目お前の独壇場だぞ!!》
『いや、油断しちゃダメだ!妨害があるかもしれないし…!』
私に有利といっても、それは他人がいない前提だ。それにすぐ後ろから大きな爆発音が聞こえる。これはもしかしなくても彼だ。
爆「俺は関係ねえ!」
爆豪くんも後ろから飛んできた。自身の手から爆発を繰り出して器用に空中を舞う彼はものすごいスピードでこちらに迫る。
爆「てめえ宣戦布告する相手を間違えてんじゃねぇよ!」
《後続もスパートかけてきた!だが引っ張り合いながらも先頭3人がリードかぁ!?》
このままいけばかなり上位になれる。そう思ったときだ。ドカン!と大きな爆発音が響いた。
《後方で大爆発!?何だあの威力!?》
『うわ、飛んでる!?』
後ろを振り向くと、緑谷くんが何かの板…あれはロボの部品?に乗ってこちらにものすごいスピードで飛んできた。まずい、このままだと衝突する!急いで避けるが…そのまま追い抜かれてしまった。
《偶然か故意か!?A組緑谷、爆風で猛追!つーか抜いたァァア!!》
『あっ!』
爆「デク!俺の前を行くんじゃねぇ!!」
《緑谷間髪入れず後続妨害!なんと地雷原即クリア!》
思わず私たちも彼を追いかけるが彼の妨害にあってしまい、よろめいてしまう。
『うっ、危ない…』
体制を整えすぐにハイスピードを出すも、私は4位という結果に終わった。僅差でゴールした轟くんも爆豪くんも悔しそうにしている。
爆「また…くそ…くそが…ッ!」
緑谷くんに負けたことに相当なショックを受けている爆豪くん。私は目の前で顔を歪ませる彼に何も声をかけることができなかった。
