第6章 体育祭
大きなロボは、入試の時には1体だけだったのに、ここには何体もの大きなロボが網を持って私たちを獲物としてとらえている。1体のときでさえ苦戦したと言うのに、こうも持ってこられるとは…
『緑谷くんが吹っ飛ばしたやつだ!』
「マジか!ヒーロー科あんなんと戦ったの!?」
みんながうろたえる中、目の前を走っていた轟くんはロボを睨みつけて冷静に言った。
轟「せっかくならもっとすげえの用意してもらいてえもんだな。
クソ親父が見てるんだから」
轟くんは推薦組だったから、あれは初見のはず。それでも冷静に素早く対応して、ロボを攻略してしまった。あっという間にあれを凍らせた轟くんは、ロボの横を駆け抜けて、どんどん前へと進んでいく。
私もボーッとしていられない。早く追いつかなくては。
『"芳香脚"』
ロボに向けて思い切り蹴りをいれると、バキ、とロボが石化する。続けて2発目、3発目と蹴りを入れれば手足の部分は完全に石化させることができた。そして、その一部がボロボロと下に落ちて
「うわぁぁあ!?」
ちゃんと他の生徒たちの妨害もしてくれた。これはちょっと自分でも想定していなかったからラッキーだ。
『えへ、ごめんね』
《1-A!轟と甘風!!攻略と妨害を1度に!すげぇな1抜けだ!しかも甘風可愛いぞ!!》
《合理的かつ戦略的行動だ》
どうやら轟くんも妨害してたみたい。そりゃ、私たちの攻略にあやかろうなんて、考えるから悪いんだよ。とちょっと意地悪な気持ちになるけれど、これは競走なんだから許してほしい。
それより…
『マイク先生それはちょっと恥ずかしいです…』
それと相澤先生も否定してください…あの実況も自由なんだな、と思いながら前へ進む。体力を使わないように、今は走るより少し早い程度で進めているけど、前との距離を考えるとこれはもう少しスピードをあげたほうがいいかな?
《第二関門はどうさ!?落ちればアウト!それが嫌ならはいずりな!ザ・フォール!》