第6章 体育祭
第一種目は障害物競走。一年生の生徒全員が、スタート位置につく。少しでもいい場所につけるようにと、みんな必死で前に出ようとしているので、私は少し後ろの方で備えることにした。大丈夫、これくらいで遅れは取らない。
《スタート!!》
マイク先生の声を一斉にみんなが駆け出す。
《さ~て実況してくぜ!解説Are you ready?ミイラマン!》
《無理矢理呼んだんだろうが》
なんだか楽しそうというか仲よさげなアナウンスで、こんな緊迫した中でなければ私だって笑ってたと思う。けれど、そんな気を抜いている暇はなかった。まず最初にここでふるいにかけられるはずだ。
《早速だがミイラマン序盤の見どころは!?》
《今だよ》
そう、今絶対に彼はしかけてくる!!
ピキピキ!!
地面が凍らされていく。これには初めて見るであろう他のクラスの人たちは大慌て。私は彼の行動を読んでいたためタイミングよくハートに乗ることで防いだ。勿論、それを読んでいたのは私だけではない。
八「甘いわ轟さん!」
爆「そううまく行かせねぇ!半分野郎!」
A組のみんなは彼のことをわかっていた。なんせ、戦闘訓練で見せられたしね!と、避けられたことにホッと一息ついたのも束の間。今度はなんと目の前で峰田くんが何かに吹き飛ばされた。
あれは…見たことある。
《さあいきなり障害物だ!まずは手始め第一関門ロボ・インフェルノ!》
上「入試ん時の0Pヴィランじゃねぇか!」
そうだ、入試で見たあの0Pヴィランだ。