第6章 体育祭
休み時間____
上「いいよな~障子はそのガタイだけで目立つもんなぁ」
障「自分の有用性を知ってもらわねば意味がない」
『でも障子くんの個性って色々使えるよね。状況把握だって戦闘だって、1人でこなせるじゃない』
体育祭の連絡を受けて、それぞれが自分の見せ場について考えていた。見た目が派手な人、強い個性、汎用性が高い個性…このクラスの人は何かしらを持っている。その中でも障子くんは見た目に印象が強いというのにも当てはまるだろう。
障「そういう甘風だって戦闘もできるし、この前は治癒もしたんだろう?」
『体育祭では治癒は使わないよ。敵の目にもとまっちゃったし、珍しい治癒個性をまだこんなに弱い段階で見せびらかせないからね』
上「ってか、マナの場合はヒーローよりモデルのスカウトのが多いもんな~こいつ通学中にも声かけられるんだぜ?」
『丁重にお断りしてるよ』
耳「マナ可愛いもんね。スタイルいいし羨ましいよ」
『いいことばかりじゃないよ…この見た目のせいで何度も事件に巻き込まれたし』
障「小さい頃からか?だったらよほど怖い思いをしたんだろう」
上「プロヒーローに助けてもらうこと多かったからな。実際この学校にも助けてもらった先生いるだろ?」
『うん、相澤先生とか』
「「相澤先生!?」」
私のカミングアウトに、みんなが驚愕の声を上げる。そうだよね、まさか入学前から面識があるとは思わないよね。私も思い出してからビックリしたし。
耳「え、まじで?」
『うん、中学のときね。下校中にストーカーに追いかけられちゃって。行き止まりで絶望してたとき先生が助けてくれたの。まあ、あれが相澤先生だって気づいたのはこのまえのUSJのときだけど…』
障「あの人はオンオフ激しいからな」
上「なにそれ初耳」
耳「あんたも知らなかったの?」
『電気いなかったからね、あの時。余計な心配かけられないし…親にも言ってないんだ』
上「頼りにしてくれよ…」
私の言葉にズーンと落ち込む様子を見せる電気。しっかり落ち込んでいる彼を見て、話題を変えなきゃと話を打ち出す。
『あ、そうだ。みんな体育祭の準備ってなにするの?』
耳「ウチは個性の強化かな」
上「俺はまず基礎体力作りだな!」
障「俺もそうだな」
『みんな考えてるんだね…私はどうしようかな』