第6章 体育祭
飯「みんな準備は出来てるか!?もうじき入場だ!」
飯田くんが、クラスのみんなに言う。けど、きっとみんなわかってる。こんなにいつもとみんなの空気が違うんだから…
轟「緑谷」
緑「轟くん…なに?」
突然、轟くんが緑谷くんに声をかけた。あの2人が話してるところなんてあまり見たことないから不思議だ。__というより、轟くんが誰かに積極的に話しかけるタイプではないことは日常から明らかなので、今のこれがとても珍しいことだとわかる。みんなも驚くように彼らを見遣る。
轟「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
緑「えっ…うん」
ほんとに突然どうしたんだろ。確かに、轟くんの力は驚異だけど…それを敢えて今緑谷くんに言う理由がわからない。轟くんはまっすぐに緑谷くんを見つめている。
轟「けどお前オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが…お前には勝つぞ」
上「おお~クラス最強が宣戦布告?」
切「おいおい急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって」
轟「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ」
轟くんの宣言に周りもざわりとする。そして、それに続いてしばらく黙っていた緑谷くんが、口を開く
緑「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのかはわかんないけど…。そりゃ君の方が上だよ」
緑谷くんは、わかってる。自分が今のままではダメなこと…だから、この言葉なんだ。きっと、根本的なことは緑谷くんも劣ってないのに…
緑「実力なんて大半の人に敵わないと思う。客観的に見ても」
切「緑谷もそういうネガティブな事言わない方が…」
緑「でも!」
力強く、彼は言う
緑「みんな…本気でトップを狙ってるんだ。最高のヒーローに。遅れをとるわけにはいかないんだ」
私の頭にはあの普通科の男の子が浮かんだ
普通科だからといって侮れない
緑「僕も本気で獲りにいく」