• テキストサイズ

メロメロ少女【ヒロアカ】

第6章 体育祭


上鳴サイド

なんでそんなずるいこと…期待させるようなこと言うんだよ、マナのバカ。俺の気持ちなんて全然知らないくせに。…いや、知らないから言うんだろうな、ホントにずるいやつ。

俺は…彼女が欲しい欲しいと日頃から言ってるけど、本命じゃなきゃ嫌だ。

その本命は言わずもがなマナだ。

普段から軽い男みたいにしてるけど、本当は真剣にマナに好きだと伝えたい。けど…やっぱマナはそんなこと望んでないってわかるから。俺がそう言ったら、絶対こいつは悩んじまうし、なんなら俺に申し訳ないって泣くと思う。俺は別に、マナを困らせてまで、明確に好意を伝えたいわけじゃない。ただ、俺はこいつのそばに、1番そばにいたいだけだ。

マナが俺をすげえ大切に思ってくれてることはわかってる。だから俺はあえて何も言わずに、こいつにとって1番安心できる【幼なじみ】っていうポジションに居座ってる。…俺もずるい男だ。

でもだからこそ、俺は安全な幼なじみでい続けなきゃなんねえ。

こうして俺の横で安心して眠るこいつを、壊しちゃいけねえんだ。柔らかい体が俺に密着してる。それだけでもクラクラするのに、たまに身をよじるからたまったもんじゃない。

あんな顔するから思わず泊まってけって言ったけど、やっぱしんどいわ。言わなきゃよかったという後悔半分、役得だという優越感半分ってところだ。

『ん……』

「…ごめんな」

俺は、マナに謝る。そして、おでこき軽いキスを落とす。

好きになって、ごめん。

そんな気持ちを込めながら。
/ 202ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp