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メロメロ少女【ヒロアカ】

第5章 emergency


先生がある部屋の前には刑事さんがいたが、リカバリーガールの顔を見るなり「どうぞ」とすんなり通してもらえた。中に入ると、ベッドの上にいる相澤先生はすでに目を覚ましていて、私を見るなりギョッとした顔をする。

相「ばあさん、なんでこいつが…怪我でもしたのか?」

『先生のおかげで私はどこも怪我なんてしてませんよ。私は、先生の様子を見にきただけです』

リ「お礼でも言っとくんだね」

そう言うと、リカバリーガールはオールマイトたちのいる保健室戻るらしく、すぐに部屋を出ていった。リカバリーガールが出ていくのを見送った私は、先生のベッドの脇にある椅子に座り、先生に話しかける。

『お体は大丈夫ですか?』

相「お前のおかげでほとんど治ってる。後遺症もないらしい、ありがとうな」

『少しでも力になれたならよかったです』

先生の体が無事だと聞くことができてようやくホッとする。あの時の先生は、ほんとうにひどい状態だった。腕も、目も、全身がボロボロになっていて、それでも敵と戦う姿に痛々しさを感じてしまった。

相「…お前は俺が必要なヒーローだと言ったがな、お前も充分ヒーローだったぞ」

『!!ありがとう、ございます…!』

まさか憧れのヒーローにそんなことを言ってもらえるとは思わず、感極まる。涙が出そうなくらいだ。しかし次の言葉に私はさらに驚くことになる。

相「俺が決めることじゃないって言ったけど、俺はお前がヒーローに向いてると思ったよ」

それは、私がイレイザーヘッドに助けてもらった時の、彼が私の問いかけに答えた時の言葉だ。それを言うということは、つまり…

『…覚えて、らっしゃるんですか?』

相「まあな。あんな風に引き止められりゃ記憶にも残る」

『っ…!まさか覚えていただけたなんて…』

相「俺もまさかあの時の少女が俺の生徒になるなんて思ってなかったがな」

ちょっと力の抜けた笑い方をする相澤先生。そもそも先生が笑うところなんて見たことがなかったから驚く。

『私、先生に憧れてヒーロー目指したんです!先生、私にきっかけをくださってありがとうございました!』

私がそう言うと、相澤先生は目を見開き、そしてハッと笑う。そして動かないはずの腕を動かして、私の頭にぽんっと手をおいた。

相「自慢の生徒だよ、お前は」

『!!きょ、恐縮です…!』
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