第5章 emergency
相澤先生は目を覚ましていて、私を見るなりギョッとしていた。
相「ばあさん、なんでこいつが…怪我でもしたのか?」
『大丈夫ですよ。私は、先生のことを見にきただけです』
リ「お礼でも言っとくんだね」
そう言うと、リカバリーガールはさっきの場所に戻るらしく、部屋を出ていった。
相「…ありがとな。おかげでなんの後遺症もねえよ」
『少しでも力になれたならよかったです』
相「…お前は俺が必要なヒーローだと言ったがな、お前も充分ヒーローだったぞ」
『!!ありがとう、ございます…!』
まさか憧れのヒーローにそんなことを言ってもらえるとは思わず、感きわまる。しかし次の言葉に私はさらに驚く
相「俺が決めることじゃないって言ったけど、俺はやっぱりお前はヒーローに向いてると思ったよ」
『え…?ど、どうして……覚えて、らっしゃるんですか?』
相「まあな。あんな風に引き止められりゃ記憶にも残る」
『っ…!まさか覚えていただけたなんて…』
相「俺もまさかあの時の少女が俺の生徒になるなんて思ってなかったがな」
『私、先生に憧れてヒーロー目指したんです!けど…目指してるうちに、感謝されることが嬉しくなって…きっと、本当の私の夢になってるんだと思います!先生、私にきっかけをくださってありがとうございました!』
そう言うと、相澤先生はふっと笑う
そして
動かないはずの腕を動かして、私の頭にぽんっと手をおいた
相「自慢の生徒だよ、お前は」
『~ッ!!』