第5章 emergency
緑「かっちゃん!?よけたの!?すごい!」
爆「違ぇよ。黙れカス」
声を上げるしかできなかった私の目には、爆豪くんを助け出すオールマイトの姿が映った。その様子に心底安心し、大きく息を吐き出した。私は呼吸をすることも忘れていたらしい。
死「子供を庇ったか」
オ「加減を知らんのか」
死「仲間を助けるためさ。しかたないだろ。さっきだってほらそこの…地味なヤツ。あいつが俺に思いっ切り殴りかかろうとしたぜ?他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー」
彼がなにを言いたいのかをそこで察する。けど、そんなに淡々と話しているのはどうも違和感だ。きっと、本音は違うところにある。
死「俺はなオールマイト、怒ってるんだ。同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に。何が平和の象徴!所詮抑圧のための暴力装置だお前は。暴力は暴力しか生まないのだとお前を殺すことで世に知らしめるのさ!」
オ「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の目は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ!」
死「…バレるの早っ」