第1章 初日
上「マナ、お前どうすんだよ。体力測定向きじゃねえだろ…?」
『個性の使い方、受験前にたくさん増やしたの。だから、多分大丈夫。そういう電気こそ大丈夫?』
「俺は元がいいし。あとは機械誤魔化すとかそんな感じだな」
『そっか…最下位に、ならないでね』
上「おまえ、俺がいなくなるの寂しいのか?」
ニヤニヤと、からかうように言って来る電気
『うん、寂しい。電気も一緒がいいの』
私のその言葉に、電気が固まる
上「っ!おまっ…ああクソ!!こんなときに、そーゆーこと…っ」
『?あ、次私の番だ。いってくるね』
50m走を一緒に走るのはカエルの女の子だ。
よーい、スタート!の合図で私は作り出した大きなハートに乗っかる。そして、それは彗星のごとく駆け抜ける。
「4秒58!」
かなりいい記録だと思う
それを見ていたみんなが、すごーい!と言ってくれるのを恥ずかしくなりながらも受け止める
蛙「あなた、すごいのね」
ゴールしたらしいカエルの女のコが話しかけてくれる
『実はこれ、最近身につけた技だから…成功するか不安だったの』
蛙「そうなの。それでも成功したんだもの、すごいわ。私は蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」
『梅雨ちゃんね!私は甘風マナ。私のこともマナでいいよ』
新しい女のコの友達ができたことに感動しつつ、次の種目に挑む
立ち幅跳び
これも、さっきの要領でやればいいかな
そう思い、やってみると結構いい感じ!まだまだ行けそう!と思ってスイスイ進んでいると
相「…甘風、お前それ、どこまでいける?」
『正確に測ったことがないので何とも言えませんが、以前の練習で10kmは行けました』
相「じゃあお前はもういい。クラスじゃトップだろう、記録は∞にしとく」
時間がかかると判断したらしい先生は私にそう告げた。相澤先生の言葉にギョッとしながらも、私は今のところかなり好成績を出してることに喜ぶ
切「甘風、すげえな!」
『ありがとう。でも、これは個性が発揮できるものだからであって…握力とか、長座体前屈とかは多分平均だよ』
切「それでもよ、個性を使いこなしてるっつーか…得意分野があるって、すげえよ!」
『そ、そんなに褒めないで…恥ずかしいから…』
顔が熱くなるのを感じる。そして、なぜか切島くんも顔を赤くしていた