第5章 emergency
切「攻撃手段少ねぇヤツが心配だ。それに俺らが先走ったせいで13号先生が後手に回った。先生があのモヤ吸っちまえばこんなことになっていなかったんだ。男として責任取らなきゃ!」
爆「行きてぇんなら一人で行け。俺はあのワープゲートぶっ殺す」
切「はあ!?この期に及んでそんなガキみてぇな…それにあいつの攻撃は…」
『なにか手があるの…?』
爆「うっせぇ!あのゲート野郎は敵の出入り口だぞ。いざってとき逃げ出せねぇよう元を締めとくんだよ」
そのとき、見えない敵が爆豪くんに攻撃をしかける…が、彼はノールックでその敵を殴り、難なく仕留めた。
爆「俺らにあてられたのがこんな三下なら大概大丈夫だろ」
そう言って倒した敵を掴む爆豪くん。どっちが敵かわからないくらい悪い感じになってる。するとそんな様子を見た切島くんは不思議そうに爆豪くんの顔をまじまじと見つめ口を開く。
切「つかそんな冷静な感じだったっけおめぇ?もっとこう…」
爆「俺はいつでも冷静だクソ髪野郎!」
切「ああそっちだ」
心外だ!というように切島くんにブチギレる彼はいつもの爆豪くんだ。こんな状況なのに、どこか気の抜ける会話に私は思わず笑ってしまう。すると爆豪くんに「笑ってんな!」と怒られたけどなぜか全然怖くない。
切「ダチを信じる、男らしいぜ爆豪!乗ったよおめぇに!」
切島くんが爆豪くんの案に乗るようだ。切島くんは私の方を見て「甘風はどうする?」と聞いた。
切「お前一人にしとくのはさすがにまずいし…」
どうやら私の心配をしてくれているらしいけれど、その必要はない。私だってヒーローの卵なのだ。それに、私は別でやりたいことがあるからこれからは別行動になりそうだ。
『私は相澤先生のとこ行くよ』
爆「は?!バカかてめえは!!あんな中心いっても足手まといだ!!」
『そんなのわかってる!でも…私、治癒もできるの。きっと相澤先生……』
私の覚悟を決めた顔を見て、反対していた爆豪くんも切島くんも、何も言わなくなった。
切「…わかった、でも、無茶はすんなよ!?」
『うん、わかってる。2人もね』
爆「チッ!!怪我なんかしたらぶっ飛ばすぞ!!」
『それはやだなあ』
爆「だったら無傷で帰ってこいや!」
爆豪くんのわかりにくい優しさを受け取り、私はハートに乗って相澤先生の元へ向かった。
