第5章 emergency
黒「はじめまして。我々は敵連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは、平和の象徴"オールマイト"に息絶えていただきたいと思ってのことでして」
私が昔の記憶を辿っている間に目の前に現れたのは、黒いモヤの男。丁寧な口調が、逆に恐怖を煽る。
黒「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるはず。ですが何か変更があったのでしょうか?
まあそれとは関係なく私の役目はこれ____」
その言葉の途中で、なんと切島くんと爆豪くんが敵の前に出て行ってしまった。
切「その前に俺たちにやられることは考えなかったのか!?」
攻撃をしかける、が敵は難なく彼らの攻撃をかわしてしまう。そして何でもないように話を続ける。
黒「…危ない危ない。生徒といえど優秀な金の卵」
ス「ダメだ!どきなさい二人とも!」
黒「私の役目はあなたたちを散らしてなぶり殺す!」
黒いモヤがそう言った瞬間、まわりがモヤで覆われる。
このままではモヤにとりこまれる。1人でいちゃダメだ…!散らしてなぶり殺すと言ったのだ、みんなをばらけさせることが目的なら、少しでも固まっていた方がいい!だれか、近くにいないの…!?見えない中で必死に誰かを探すが、見つけられない。そんな時だった。
グイッ
突然、誰かに腕を引っ張られた。目を開けると…
『あっ…爆豪、くん?』
爆「ボーっとしてんなよ、クソが」
切「甘風!よかったぜ、1人になってなくて…!」
腕を引っ張ってくれたのは爆豪くんだったらしい。そして、彼の側にいた切島くんも一緒だ。よかった、とりあえず1人にならずにすんだらしい。と、一瞬安心したが、辺りを見渡してそう安心できる状況ではないことを理解した。
『敵、いっぱいだね』
爆「ケッ、こんなんヨユーだわ」
切「おう!甘風も、大丈夫だよな?なんかあったらすぐ叫べよ!」
『大丈夫!対人なら、まかせて!』
切「ははっ頼もしいな!」
大丈夫、私はもうあのときのような何もできない子じゃない。ちゃんと、戦える!絶対に足手まといになんて、ならない!