第5章 emergency
相「一塊になって動くな!13号、生徒を守れ」
相澤先生の言葉に、その場の雰囲気が変わる。
切「なんだ?また入試んときみたいなもう始まってんぞパターン?」
相「あれはヴィランだ」
広場を睨みつける相澤先生の表情を見るに、本当に緊急事態らしい。これは試験でも何でもない、本物の敵による襲撃なのだと理解する。
八「侵入者用センサーは?」
轟「センサーが反応しねぇなら向こうにそういうことができる個性がいるってことだ。校舎と離れた隔離空間。そこにクラスが入る時間割り。バカだがアホじゃねぇ。これはなんらかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
相「13号、避難開始。学校に電話試せ。電波系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡試せ」
電気がすぐにそれに対応する。電気の個性はこう言った電波障害にも対応できる。
それぞれに指示を出すと、相澤先生はゴーグルを装着し、敵の集まる広場に向かう姿勢を見せた。まさか1人であの大人数を相手にする気ではないだろうか。いくらプロヒーローとはいえ、あまりに危険すぎる。
緑「一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すといってもイレイザー・ヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は…」
相「一芸だけじゃヒーローは務まらん。任せた13号」
そして敵に向かっていく先生はさすがだった。異形系相手にもあんな風に立ち回れるなんて、さすがプロだ。次々と敵を薙ぎ倒す姿はかっこいい。
…そうだ、あの姿…どこかで見たことがあると思っていた。なんでわからなかったんだろう。なんでこんなに時間がかかったんだろう。あの人は…私の…憧れの人だったのに。私がヒーローを目指す、きっかけの人。
『普段と違いすぎだよ、先生…イレイザーヘッド』