第5章 emergency
あれは、中学に入りたての頃だったと思う。
『ひっ…こないで!』
「可愛い…うまそう…食べたい…!」
私に迫るのは大きな体の、奇妙な体をした男。怖くて、足が震えて逃げることもままならず…このまま死んでしまうのか、と思った。
そんなときだった
「それより俺に捕まるのが先だがな」
ガッ!!と相手を攻撃し、捕縛した男
その時は突然すぎてなにが起きたかわからなかった。
「…無事か」
『は、はい…』
「ならいい」
その場をすぐに去ろうとする男の人。私はその人の腕を勢いよく掴んだ。
『待ってください!あの、あなたは…?』
「…ヒーロー…"イレイザー・ヘッド"だ」
『ヒーロー……
私にも、なれますか?あなたのような、人を救えるヒーローに』
「なれるかどうかは俺が決めるんじゃないよ」
じゃあな
そう言って、敵とともにその場を去って言ったヒーロー
その場に立ち尽くす私がふと、地面に落ちたあるものを拾う
『猫の…キーホルダー?』
可愛らしいキーホルダーだった
もしかして、あの人の?でも、こんな可愛らしいものを好むとは…そんな考えを持ったが、やはり拾ってしまう
これが、唯一のあの人との繋がりかもしれないから。私がヒーローを目指した、きっかけの人
イレイザー・ヘッドとの