第15章 15章 仮免試験に向けて
芦「うへええええ、毎日毎日大変だああ」
葉「圧縮訓練の名は伊達じゃないねえ」
八「とはいえ、仮免試験まで1週間もないですわ」
葉「ヤオモモは、必殺技どう!?」
八「うーん、やりたいことはあるのですが、まだ体が追いつかないので、少しでも個性を伸ばしておく必要がありますわ」
葉「梅雨ちゃんは!?」
蛙「私は蛙らしい技が完成しつつあるわ。きっと透ちゃんもビックリよ」
葉「お茶子ちゃんは!?」
透ちゃんに声をかけられたお茶子ちゃんは、ボーッとパック牛乳のストローを加えて心ここに在らずといった感じだ。
蛙「お茶子ちゃん?」
ぼーっとしていたお茶子ちゃんの腕を梅雨ちゃんがつつくと、「うひゃあ!?」と声をあげて反応するお茶子ちゃん。声をかけられたことに本当に気づいていなかったらしい。
蛙「お疲れのようね」
麗「いやいやいや!疲れてなんかいられへん!まだまだこっから!
…のハズなんだけど…なんだろうね」
煮え切らないお茶子ちゃんに、私と響香は顔を見合わせる。と、お茶子ちゃんは急に頬をあからめ、もじもじと言葉を紡ぐ。
麗「最近、無駄に心がざわつくんが多くてね…」
そんな様子を見た三奈ちゃんが、お茶子ちゃんをキラキラした目で追い詰める。
芦「恋だ!!」
麗「ギョ!?なっ、なに!?故意!?濃い!?鯉!?知らん知らん!」
芦「相手は緑谷か飯田?一緒にいること多いよねー!」
麗「チャウワチャウワ」
あまりに動揺しているのか、お茶子ちゃんは両手で顔を隠しながら浮き上がってしまった。
透「誰!?どっち!?誰なのー!?」
響「ゲロっちまいな、自白した方が罪軽くなんだよ」
麗「違うよほんとに!あたしそういうのほんと…わからんし…」
浮き上がりながら必死に弁明するお茶子ちゃんが可愛らしいけど、ちょっと可哀想でもある。
蛙「無理に詮索するのはよくないわ」
八「ええ。それより明日も早いですし、もうお休みしましょ」
芦「えー!!やだあ!もっと聞きたいー!何でもない話でも強引に恋愛に結びつけたいー!」
麗「そんなんじゃ……っ」
お茶子ちゃんの言葉がそこで止まり、彼女はどこか一点を見つめ始めた。みるみるうちに彼女の頬が赤くなり、乙女の顔になっていく。
『…お茶子ちゃん…?』
麗「………」