第15章 15章 仮免試験に向けて
体育館γ
相「体育館γ、通称トレーニングの(T)台所(D)ランド(L)。略してTDL。」
「「「TDLはまずそうだ」」」
セ「ここは俺考案の施設。生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそう言う意味だよ。」
上「なーる」
セメントス先生の説明が一区切りすると、シュビ!っと勢いよく手を挙げた人物がいた。もちろん飯田くんだ。
飯「質問をお許しください!なぜ仮免許の取得に、必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います!」
相「順を追って話すよ。落ち着け。
ヒーローとは、事件、事故、人災、天災あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。取得試験では当然その適性を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力、他にもコミュニケーション能力、魅力、統率力など別の適性を毎年違う試験内容で試される」
ミ「その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。備えあれば憂いなし。技の有無は合否に大きく影響する」
セ「状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有していることになるんだよ」
エ「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハナイ。例エバ、飯田君ノ【レシプロバースト】。一時的ナ超速移動。ソレジタイガ脅威デアルタメ、必殺技ト呼ブニ値スル」
必殺技の定義を聞き、そしてなお自分の技が必殺技と認められることを聞いた飯田くんは、天を仰いで感嘆の声を漏らす。
飯「あれ必殺技でいいのか…!」
佐「なるほど。自分の中にこれさえあれば有利、勝てるって型を作ろうって話か」
ミ「その通り。先日大活躍したシンリンカムイのウルシ鎖牢なんか、模範的な必殺技よ。相手が何かする前に縛っちゃう」
相「中断されてしまったが、林間合宿での個性を伸ばす訓練は、必殺技を作りあげるためのプロセスだった。つまりこれから後期始業まで、残り10日余りの夏休みは、個性を伸ばしつつ必殺技を編み出す圧縮訓練となる!なお、個性の伸びや技の性質に合わせてコスチュームの改良も並行して考えていくように。プラスウルトラの精神で乗り越えろ。準備はいいか!?」
「「「はい!!!」」」