第14章 新しい生活
耳「みんな、ちょっと寝るの待って!!」
1階の共同スペースに集まっていたみんなが、各々の部屋に戻りそうなタイミングだった。響香はみんなに待ったの声をかけた。
上「耳郎と…マナ!?」
尾「どうしたの?何かあった?」
耳「みんなに、話を聞いてほしくて。って、あれ?一部いないけど」
見渡すと飯田くん、緑谷くん、鋭児郎くん、百ちゃん、焦凍くん、お茶子ちゃん、梅雨ちゃんがいない。いなきメンバーの殆どが、助けに来てくれたみんなだ。
透「お茶子ちゃんが、救出組連れてどっか行っちゃったよ〜でもそれ以外はみんなまだいるよ!」
耳「そっか…じゃあここにいるみんなだけでいい。少しだけ、マナの話を聞いてくれない?」
瀬「なんだなんだ?話って」
響香に促され、私はみんなの前に立つ。心臓が激しく鼓動を打つ。大きく深呼吸をして、息を整える。そして
『あの…みんな……ごめんなさい!!』
芦「え?!なんでマナが謝ってるの!?なんかあった!?」
『私のせいで…みんなを傷つけちゃった…私が攫われてしまったから、弱かったから…油断、してたから。彼らが助けに来てくれた時、心からホッとして、嬉しかったの。でも、その反面…その喜びが、彼らを止めようとしてくれていたみんなの気持ちを踏み躙ってるって思って…そうしたら、みんなに申し訳なくって…』
障「申し訳なく思う必要はないだろう。危険に晒されている中、助けが来てそう思うのは至極当然のことだ」
『でも……だめだ。うまく話せないや。とにかくね、私、何がなんでもみんなに謝りたかったの。それと、約束しに来たの!
今後、みんなに何かあったら、私、絶対に力になるから!だからね、えっと…また明日からもよろしくね…!!』
上「っ、俺こそごめんマナ!!お前が不安な中何もしてやれなくて!」
芦「マナの気持ち考えられなかった!アタシもごめん!」
透「ごめんねマナちゃん…!ずっと悩んでたんだね…!」
みんなが私にごめんと謝る必要なんてないのに、謝ってほしくないのに。どうしてだろう、すごく心が温かい。みんなに謝りたかった、勝己くんのように誠意を見せたかった。それだけなのに。みんなに受け入れてもらえたことが、こんなにも嬉しい。
耳「よかったね、マナ」
『ありがとう、響香』