第13章 奪還
芦「ヤオモモから発信機のやつもらって…それ辿って…自分らで2人の救出に行くってこと!?」
轟「敵は俺らを殺害対象といい、2人は殺さずに攫った。生かされるだろうが殺されないとも言い切れねえ。
俺と切島は行く」
飯「ふっ…ふざけるのも大概にしたまえ!」
障「待て落ち着け。切島の何も出来なかった悔しさも、轟の眼前で奪われた悔しさもわかる。俺だって悔しい。だが、これは感情で動いていい話じゃない」
青「オールマイトにまかせようよ…戦闘許可は解除されてるし…」
常「青山の言うとおりだ。助けられてばかりだった俺には強く言えんが…」
蛙「みんな爆豪ちゃんとマナちゃんが攫われてショックなのよ。でも冷静になりましょう。どれ程正当な感情であろうと、また戦闘を行うというのなら___ルールを破るというのなら、その行為は敵のそれと同じなのよ」
蛙吹がそう言葉を放つと空気が重くなる
「お話中ごめんね。緑谷くん診察の時間なんだが…」
瀬「い…行こか。耳郎とか葉隠の方もきになるし…」
切「八百万には昨日話をした。行くなら即行…今晩だ。重症のおめーが動けるかは知らねえ。それでも誘ってんのはおめーが一番くやしいと思うからだ。
今晩、病院前で待つ」
緑「ま、まって上鳴くん!」
上「え?どうしたん?」
緑「か、上鳴くんは…どうしてそんなに落ち着いていられるの!?甘風さんが…攫われたのに…どうして…?」
上鳴は足を止め、一度下を向く
そして
上「ははっ、俺が落ち着いてるって……そう見えてんなら、よかったよ。俺って役者だな」
緑谷の方を見た彼の目は少し腫れており、右手からは血が流れていた
そこで緑谷は悟る
彼が平気なわけ、ないのだと
上「俺もなんもできなかった。安全なとこで待ってただけだ…正直、俺だって行きたい…けど、あいつと約束しちまったからさ。だから…俺は信じて待つぜ。…かっこわりーけどさ」
その言葉は、彼の胸に強く突き刺さった