第12章 林間合宿
もはや地獄絵図となっているこの場所で、私はとにかく踵落としをしていた。曰く、一番強い石化をひたすら鍛えて石化の広範囲化、かつ時間短縮を図るわけだ
『う、足が…』
これも鍛えなきゃいけないことだ!敵にはもっと硬くて大きい人もいるし!これくらいで根をあげちゃだめ!私はひたすら踵を下とし続けた
「さァ昨日言ったわね、世話焼くのは今日だけって!」
「己で食う飯くらい己で作れ!」
「「「イエッサ…」」」
「あはははは全員全身ブッチブチ!だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね!」
飯「確かに…災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環…さすが雄英無駄がない!世界一うまいカレーを作ろうみんな!」
お、オォー…
みんなの覇気のない返事が返ってくる
そして
芦「轟ー!こっちも火ィちょーだい!」
瀬「爆豪!爆発で火ィつけれね?」
爆「つけれるわクソが!」
八「皆さん!人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ」
轟「いや、いいよ」
麗「わーありがとー!」
焦凍くんが火をつける
その横顔は少し穏やかだった
「「「いただきまーす!」」」
切「店とかで出たら微妙かもしれねーけどこの状況も相まってうめー!」
瀬「言うな言うなヤボだろ!」
芦「やおももがっつくねー!」
八「ええ」
上「すっげーうめー!さすがマナだな!いつでも結婚できるじゃん!」
『えへ、ありがと…やっぱりご飯って大事だから、一生懸命作ったんだ』
切「え、それマナが作ったのか?」
『うん。私と、電気のぶん。ちょっと食べる?』
切「お、おう!」
切島くんが私のカレーを一口食べる…なんか緊張する
切「う、うっめー!なんだこれ俺らのと別物!」
瀬「まじ?」
芦「あたしも食べたい!」
『少し多めに作ったから、よかったら一口どうぞ』
そう言ってみんなが一口ずつ食べる
瀬「うっめー!!」
芦「ほんと!これ同じ材料!?」
『ふふ、隠し味もあるし、ちょっと違うかも。美味しいならよかった』
八「隠し味ですか?」
『うん、チョコレート』
芦「チョコレート!?わかんない!」
『隠し味だからね』
爆「おい、俺にも食わせろ」
勝己くんが電気からスプーンを奪い一口食べる
爆「ん、うめえ」
『ありがと』
切「爆豪が褒めた…!」
爆「どういう意味だこら!」