第3章 戦闘訓練
『八百万さん、切島くんみつけた。爆豪くんがくるかもしれないから罠はBの方お願い!』
「わかりましたわ!」
トランシーバーで連絡をとる私の前には切島くんが現れた。爆豪くんは周りにはいないから別行動か。切島くんも私の姿を捉えたらしいが、すぐに顔を赤くしてあたふたとし始める。
「うお!?おま、コスチュームとは言えなんつー格好を…」
『あんまりみないで…』
コスチュームに注目する切島くんに注意すると、さらに顔を赤くする。個性としてはありがたいけど、そんなに顔を赤くされるとすごく恥ずかしい。
『いくよ切島くん!』
「おう!」
切島くんは私が距離を詰めてくると思っているのか、その場で構える。しかし、それは間違い。私はその場で大きなハートをつくり、引っ張り____矢を素早く放った。
それに咄嗟に反応し、硬化して防御しようとしたらしい切島くん。
けど、無駄だよ。だってこの矢は…物理的な攻撃じゃないから。命中した相手を石化させる。それが私のこの技…"虜の矢(スレイブアロー)"
切島くんはそのまま固まった。
『ごめんね、またあとで戻してあげるから』
私は念のため捕獲テープで石になった彼をぐるぐる巻きにする。
そして
『八百万さん、切島くん確保したよ。爆豪くんは?』
「まだいらっしゃってませんわ。ただ、先程爆発音が盗聴器Cで聞き取れたので、3階にいるかと」
『りょーかい!じゃあ向かうね』
そう、彼の爆発音を拾うために盗聴器を何箇所かに仕掛けた。行手を阻むようにバリケードを作り、意図的に壊させることで爆発音を拾った盗聴器から彼の居場所を特定する。そして、3階にいくと。
『あ、爆豪くんみっけ』
「てめえか…女だからって容赦しねえぞ!」
見つけるといきなり彼は私に向かってきた。そうくると思った。
『ピストルキッス』
パンパンパン!と3発撃つ。それを華麗にかわして向かってくる爆豪くんはさすが入試1位だ。
けれど
「っ!!」
『私のほうが、上手だったね』
かわしている3発の間に、私は彼との間合いをつめ、蹴りを入れる。
「なっ!?腕が…!」
『動かさない方がいいよ!崩れたら腕戻せなくなるから!』
そう言いながら、私は彼にもう1発蹴りを入れようとした、がさすがに2度目はかわされた。
爆「てめぇ、やってくれるなァ!!」