第8章 職場体験
『おせわになりました!』
職場体験最終日、私は感謝の気持ちを伝えるためにエンデヴァーさんのもとを訪れていた。
エ「ああ。しっかり、鍛えられたようだな」
『はい!』
これで職場体験は終わり…いろんなことがあったけど、きっと私はたくさん成長できた。エンデヴァーさんの鍛え方は少々強引だったけど、あれだけ強い人と訓練ができることはとてもいい経験になった。私の技の使い方も、見直すことができたし
エ「次はウチに来るんだな」
『え?』
エ「焦凍の嫁として」
突然体育祭で言われたことを掘り返されて焦ってしまう。まさか、まだ諦めていなかったとは…!いや、たしかに焦凍くんはいい人だし、私なんかが嫌がるのも烏滸がましいんだけども!
『!!そ、その話はもう終わったことでしょう!?それに、焦凍くんは…』
エ「お前なら焦凍も喜ぶ」
『えっ…?』
エ「見ていればわかる。それともなんだ、お前が気づいていないとでも?」
きっとそれは、純粋に息子のことを思った発言だった。さすが父親…焦凍くんが私に好意を持っていることに気づいていたんだ。…それはそれで恥ずかしいな…
『…私の答えはまだ出せません。けど…ちゃんと、私だって彼を見てますよ。これからしっかり、向き合っていきますから…』
エ「そうか、いい返事を期待している」
こういう話し方は、焦凍くんとエンデヴァーさんはそっくりだなあ
そんなことを思いながらもう一度お礼を言い、私は事務所を去った