第8章 職場体験
轟「緑谷。今診察終わったとこなんだが…」
緑谷くんが電話から戻ってきて、先ほどの結果を伝えようとする
飯「左手、後遺症が残るそうだ」
緑「後遺…症…!?」
そう、やはり後遺症が残ってしまうらしい飯田くんの腕。いくら個性が足だからって、腕が不自由じゃ不利がうまれる。やっぱりあのとき何が何でも彼の腕を直しておくべきだったんだ。目の前で助けられるはずだったのに、見過ごしてしまったのは完全に私の落ち度だ。
飯「両腕ボロボロにされたが特に左のダメージが大きかったらしくてな。腕神経叢という箇所をやられたようだ」
『ごめんね、やっぱり私…』
飯「いいんだ!俺が治癒はいらないと言ったんだ、俺自身の責任さ。それに手指の動かしづらさと多少のしびれくらいなものらしく手術で神経移植すれば治る可能性もあるらしい」
可能性…すごく、曖昧な言い方だ
飯「ヒーロー殺しを見つけた時何も考えられなくなった。マニュアルさんにまず伝えるべきだった。なのに怒りで我を忘れてしまった…奴は憎いが奴の言葉は事実だった。だから俺が本物のヒーローになれるまでこの左手は残そうと思う」
緑「一緒に…強くなろうね」
緑谷くんも怪我をした腕を飯田くんに突き出す。それを見た焦凍くんがなぜか微妙な顔をする。
『?どうしたの?』
轟「なんか…わりぃ…」
緑「何が?」
轟「俺が関わると手がダメになるみてぇな感じになってる。呪いか?」
緑「あはははは!轟くんも冗談言ったりするんだね」
轟「いや冗談じゃねぇ。ハンドクラッシャー的存在に…」
「「「ハンドクラッシャー!」」」
あまりの彼の天然加減に笑ってしまう。けど、なぜかこれでみんなが笑顔を取り戻せたんだ、よかった…
本気で彼は心配してたみたいだけど