第8章 職場体験
緑「冷静に考えると…すごいことしちゃったね」
轟「そうだな」
病室で3人仲良く入院中の焦凍くんと緑谷くんと飯田くん。私はそこまで大きな怪我をしていないし、軽い手当だけしてもらった。そして、私は彼らのお見舞いとしてリンゴを剥いているところである。
『緑谷くん、うさぎのリンゴどーぞ!』
緑「え!?あ、ありがとう。でもなんでうさぎ?」
『だって前のコスチュームがうさぎだったから、うさぎ好きなのかなって…』
今は変わった緑谷くんのコスチュームは、初めてのヒーロー基礎学のときは緑の耳がついた可愛いものだった。それを思い出して私はウサギのリンゴを作ったのだけど…
緑「あ、あれはオールマイトの髪だよ!」
『え!?う、うさぎかと思ってた…ごめん、普通のやつにするね』
緑「いいよいいよ!うさぎ可愛いよ!ありがたくいただきます!!」
緑谷くんは一口でリンゴを食べると「美味しいよ!」と言ってくれた。勘違いしてたのは私で、すごく申し訳なかったけど、それでも笑顔でお礼を言ってくれる緑谷くんは優しいなあ
緑「ごくん……あんな最後見せられたら生きてるのが奇跡だって思っちゃうね。僕の足…これ多分殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」
轟「ああ、俺らはあからさまに生かされた…」
『私も。怪我をしなかったのなんて、ステインがそのつもりで戦ってたってことだもん。最後の殺気も、すごかったし…』
轟「あんだけ殺意向けられて尚立ち向かったお前はすげぇよ」
飯「いや違うさ。俺は…」
と、そんなとき、ガラッとドアが開くとそこには緑谷くんの担当の職場体験のヒーローグラントリノがいた。
グ「小僧!お前にはすごいグチグチ言いたい…が、その前に来客だぜ。保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」
緑(つらがまえ…署長!?)
犬だ…か、かわいい…
犬「掛けたままで結構だワン」
ワン…!