第8章 職場体験
『!!大丈夫ですか!?』
そばに倒れる人は、おそらくプロヒーローだ。私はすぐに回復を施す。流血が酷く、おそらく血が足りていない…私の治癒だけでは回復できなさそうだ。それでもやらないよりはマシかと思い、治癒を続ける。
ネ「き、君はいったい…」
『…あなたの味方です』
今は職場体験中であり、戦闘はよくないことは私もわかる。だから、あえて名前を伏せて味方であることだけ伝えた。
緑「なんで君たちが?それに轟くん左を使って…』
轟「なんでってこっちの台詞だ。数秒意味を考えたよ、一括送信で位置情報だけ送ってきたから。意味なくそういうことする奴じゃねえからなお前は。ピンチだから応援呼べってことだろ?大丈夫だ、数分もすりゃプロも現着する!こいつらは殺させねえぞヒーロー殺し」
焦凍くんは、私の治癒が集中できるように、私たちの周りを氷で囲んで高くまであげる
緑「そいつに血を見せちゃダメだ!たぶん血の経口摂取で相手の自由を奪う!」
轟「血を吸って動きを止める…それで刃物か。俺なら距離を保ったまま…」
『焦凍くん!』
私が叫んだ時にはすでに焦凍くんに刃物が投げられた後だった。それは焦凍くんの頬を擦り、傷をつける
そして、ヒーロー殺しがその血を舐めようとする…
轟「…っぶねえ!」
なんとか炎でかわした焦凍くん。私はプロヒーローさんの治癒を終え、次に倒れている飯田くんのもとへ向かう。
飯「なぜ…2人とも…なぜだ…やめてくれよ…それに、甘風くんも…兄さんの名を継いだんだ…僕がやらなきゃ…そいつは僕が!」
轟「継いだのか。おかしいな…俺が見たことあるインゲニウムはそんな顔じゃなかったけどな」
『インゲニウムのヒーローの笑顔、もう忘れちゃった?』
轟「お前ん家も裏じゃ色々あるんだな」
ス「己より素早い相手に対し自ら視界を遮る…愚策だ」
ステインはやはりかなり手強い。それに、自分の個性をよくわかっており、かつ相手の弱点や隙を見つけるのもうまい。
轟「そりゃどうかな?」
焦凍くんの腕に刺さる刃物
彼はそれに顔を歪める
ス「お前らも良い…!」
ステインの攻撃が焦凍くんに届きそうな時、緑谷くんがそれを妨害した