第8章 職場体験
「焦凍!マナ!事件だついてこい!ヒーローというものを見せてやる!」
そういったエンデヴァーさんに私たちはついていく。言ってはなんだが、エンデヴァーさんはいたって普通の親のように見える。なんというか、いいところを息子に見せたいという気持ちがわかって、なんだか微笑ましい。
すると
ブーブー
私と焦凍くんの携帯が同時に鳴った。エンデヴァーさんとともに現れた能無を退治しに保須市へやってきていたときのことだ。焦凍くんは職場体験中だというのに、なんのためらいもなく携帯を開く。
エ「焦凍!携帯ではなく俺を見ろ!!焦凍ォォォォ!」
エンデヴァーさんの声を無視して、焦凍くんはしばし固まる
そして
轟「ん」
『え?』
焦凍くんは私に携帯を見せてきた。グループlineで、緑谷くんから位置情報が送られているのが確認できる。
轟「…行くぞ」
『え?!』
エ「どこへ行くんだ2人とも!?」
轟「江向通りの細道。そっちが済むか手の空いたプロがいたら応援頼む。そっちの事件は任せた。お前ならすぐ解決できんだろ
友達がピンチかもしれねぇ」
エンデヴァーさんの引き止める声が聞こえるが、焦凍くんに腕を掴まれそのまま走る。まわりは炎で包まれていて、能無の被害が大きいことがわかるが、私たちは一直線に緑谷くんが示した場所に向かっているらしい。
『緑谷くんに、何かあったの!?』
轟「わからねえ。けど、なんの考えもなしにこれだけ送ってくるようなバカじゃねえ」
きっと、それだけ緊急事態ということだ。走りながら、ようやく付近までやってくる。けど、詳しい場所がわからない…そんなことを考えていると。
『焦凍くん!見つけた!!』
建物の陰で、何か光る。それで見つけたのだ、緑谷くんを…そして、そばに倒れる2人
間違いない、あれだ
『緑谷くんが危ない!!』
轟「チッ!」
緑「やめろおおおおおお!!」
緑谷くんの声が響く
そのとき
ゴォォオ!!
焦凍くんが炎を使った
そして
轟「緑谷、こういうのはもっと詳しく書くべきだ。遅くなっちまっただろ」
『助けにきた!!』