第3章 何処?
~ イリヤside ~
二日前
やっと次の村についた…
腹へったなー食料も残り少なかったし危なかった。
取り敢えず、薄暗くなってきたから宿屋を探さないと…ん?
目の前の道に人が倒れている
こんなとこで魔族に襲われたのか!
イ「チッ」
どんなに倒しても魔族はいなくならない…
俺と同じあんな思いをする奴らがまだまだいると考えるだけで腸が煮えくり返る思いだ。
走って倒れている奴に近づいていくと
イ「女か…」
女 子供は狙われやすいのに村から一人で出るなんて自殺行為だろ
イ「おい 大丈夫か?」
うつ伏せに倒れている女を抱き起こすと
ウッ…///
長い黒髪がさらりと流れて顔が見える
抱き締めた女の温もりが伝わって来て、生きていることはわかったが意識はない。
何故だかその温もりを手放したくないと思った。
っと…そんな場合じゃねーな
近くの家にでも聞いてみるか
少し行くと村外れの一軒家に明かりがついていた。
ドンドンドン
イ「誰かいないか?」
お「はいはい、どなたですか?」
ドアを開けてくれたのは優しそうなばーさんのだった。
イ「すまない、村の入り口にこのこの女が倒れていたが村の女か?」
お「見たことない娘だね、取り敢えず隣の部屋にベットがあるから寝かせておやリ」
助かった…正直ドアを開けてくれるかもわからなかったのに部屋まで入れてくれるなんて。
ばーさんが女に傷がないか色々具合を見てくれた様だが(流石に俺が見るわけにはな…)大丈夫だったらしい。
目が覚めるまで置いてくれるらしいが、ついでだからと俺までも世話になってしまった。
見ず知らずの家にタダで世話になるのも気が引けたので、ばーさんは一人で住んでいるらしいから家の修理や薪割りなど力仕事をさせて貰った。
次の村では待ち合わせている師匠にはもう少し待っててもらえばいいか…拳骨の1つぐらいは覚悟しないとだな。
二日たっても目が覚めなくて心配したが、屋根の修理をしていると、ばーさんが女の目が覚めたと教えてくれた。
早く会いたい気持ちを押さえながら、屋根を降り足早に部屋に向かった。
どんな女なのか…
どんな声で喋るのか…
この二日間考えていたことだった。