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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第4章 同じなのに


あれから三ヶ月

イリヤは一緒に旅をしている師匠を待たせていたらしく、次の日には出て行ってしまった。

イリヤは住んでいた村を魔族に襲われ家族を亡くしてしまったそうだ。
それから師匠と一緒に修行をしながら旅をしてしてるらしい。

"近くまで来たから"
などと言いながら度々寄ってくれるが
いつも傷だらけだ。
その度に傷薬を塗ってあげるんだけど
いつも
「そんなの平気だ!」
と口癖のように言う。

それでも、アタシはおばあちゃんから教えて貰った薬草で傷薬を作って塗ってあげる。
これがまたかなり染みるらしい アハッ♪
助けてくれてお礼にはならないけれど、
これが毎度私達のやり取りになっていた。

それに色々旅の話をしてくれた。
その土地の風景 、食べ物、出会った人達にのこと

こっちの世界に来てからあまり家から出なかったアタシはそのお陰で色々この世界を学んでいった。


特に魔族の事に関しては会うたびにあれこれ注意された。
夕方には家にいろ。
一人で出歩くな。
森には入るな。
など…
村によっては魔族から村を守るために生け贄まで出すところもあるそうだ。

今の時代に生け贄なんて…
って、時代も何も

"違う場所"

なんだから何があってもおかしくないんだよね。
改めて異世界に来てしまった事を実感してしまった。



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