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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第15章 茜色の秘密


カイルside


宴は時間が経つほどに嫌気が挿してきた
ここぞとばかりに自分の娘を妃にどうだとしつこい他国の重臣達
政治的な話をしながら政略結婚でも狙っているのが見えみえだ

半分強引に退室し 久々にお気に入りの場所に行こうかと足を進めていると
目の前を考え事をしているのかブツブツ独り言を言いながら歩いてくるシュリ様がいた
このまま歩いてくるとぶつかるな…
すこしからかってみるか♪
ふざけ半分でその場に立っていると
案の定ぶつかってきた しかも顔から
鼻を赤くして怒る姿は面白かった

何処に行くのかと尋ねたら
中庭に行くと言う
自分の向かっていた方向ですこし驚いた
迷っていた様なのでついでだから連れて行く事になった

中庭に着くと 無邪気にはしゃぎ出した
今まで見てきた女達とは違う…
こんなにも心からの喜怒哀楽を見せてくれる者は 一人しか知らなかったからだ

何なんだ…
たかが人間の娘にこんなにも動揺させられるなんて 頭のなかで自分の感情を整理できないでいた

何かを探しているような素振りのシュリに声をかける
振り向く彼女を見て 心臓が鷲掴みにされたようだった…

逆光の中に立っていたのは
唯一俺が愛した女だった

頭が真っ白になり
シュリの声で我に帰るまで自分で何をしたのかわからなかった
気がついたときは シュリを抱きしてめいたのだ

俺は…何を…

腕を離して見ると
シュリの驚いた顔があった



そんな事あるわけはない…
"レリエル"な訳はないんだ…




その後の事はあまり覚えていない
気がついたら自室にと当てられた部屋の
ベッドにいた



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