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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第15章 茜色の秘密


『そう言えば このお城にはよく来ていたの? 懐かしいって言ってたから』

案内してもらう途中に
ふと先程の話を思い出して聞いてみた

カ「よく…って言うか…少しの間ここに厄介になってたんだ」

『えっ、住んでたの?』

カ「まぁ…ね…」

何だか申し訳無さそうに
歩きながら頭だけ後ろを向き
答えたカイルの顔には少し影があった気がした

あっ、これはあんまり聞いちゃいけない事だと思い

『そっ、そうだカイルは少しの間滞在するんだよね?』

カ「あぁ、そうだよ?公務って言っても俺がする事はそんなにないけどね」

今度はちゃんと体ごと振り向き おどけた様にウインクしてくれた

『なら、暇なときでいいんだけど…』

カ「ん?」

『魔族の…他の国の事とかどんな所があるとか色々聞いてみたいなぁって』

キューちゃんとロプちゃんに少しずつではあるが魔族の事やこの国の事を聞いていた

二人はこの国から出たことがないらしいので 他国のことなどはあまり知らなかった
今日会ったばかりだけど カイルはアタシに対しても普通に接してくれるから色々聞けるかなって思ったの

カ「別に構わんよ 朝からお偉い方の難しい話ばっかり聞いているよりシュリと話していた方が楽しいから あっ、これは内緒でな」フフッ

口許に人差し指を立てて 悪戯っ子の様な笑顔で笑った

『ありがとう♪』

道案内の為 元はカイルが前を歩いていたのに いつの間にか隣に並んでいた


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