第14章 宴
王様の降り下ろす腕が スローモーションになって見えていた
あっ、これは不味い奴だ…
ガシッ!
王様が少しビックリした様に目を見開いた
アタシが王様の腕にしがみつき止めていたからだ
これ以上王様に傷ついてほしくないから
どんな事があっても
きっと王様は周りの人に罰を与えるのは嫌でしょ?
だってそんな悲しい目をしてるんだもん
腕に掴まったまま ただじっとしていた…
王様はそんなアタシを見つめ
スルッと掴んでいた尻尾を離した
震えながら踞る爬虫類の者に目を移し
王「貴様は侮辱した"人間の娘"に助けられたのだ 覚えておけ 次はないぞ」
ア「王様 お着替えを…こちらにどうぞ」
王「シュリ お前も来い」
そっとアタシをいつものように片手に抱えて着替えに向かった
いつものように抱えられているのに
いつもより王様の顔が近い気がして
広間を出てからそっと王様の首に顔を埋めた…
ふんわり優しい暖かさと木苺の匂いがするなぁ と思っていると
王様が首を少し傾けアタシの頭に重みがかかっていた