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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第14章 宴



カ「姫、お顔が赤いようですが具合が悪いのでは?」

カイルがそっとアタシの頬に手を伸ばそうとすると

王「何をしている…」

『王様?』

後ろから声がしてふりかえると
すぐ後ろに 王様が立っていた

『ジュースが美味しくておかわりに来ちゃいました♪』

王「そんなことは聞いていない この手は何をしようとしているのか」

見るととアタシの頬に触れそうなカイルさんの手を掴んでいる王様の手があった


カ「ご無沙汰しております 王様」

ニッコリと笑顔を向けるカイルとは反対に鋭い目で睨んでいる王様

王「気安く触るでない」

掴んでいた手を払いのけ アタシを腕の中には包み

王「勝手に出歩くな」

先程とは変わった優しい瞳で 顔を覗き混んできた

『ごめんなさい でもこのぐらい平気だよ?』

そう答えると ポンポンと頭を撫でられた



カ「かなりこの姫が気に入られている様ですね フフッ…」

すると王様は隠すようにローブでアタシをくるんでしまった

アタシが見えなくなったからか 少しカイルさんの口調が変わった気がした

カ「そんなお前の姿 初めて見るな それがその姫のせいならますます興味が湧いたじゃないか…」

王「戯れ言を…」

カ「こんなに小さく愛らしいなら何処かに閉じ込めたくなるな フッ」

王「カイル! シュリには構うな」

カ「まぁ 今回は公務も兼ねてきているから数日ほど城に滞在予定だ シュリ様?またお話ししてください♪」

ローブで視界は真っ暗だったが 王様とカイルさんは知り合いっぽいし悪い人ではないと思い ローブの中から顔だけ出して

『はい またお話ししてください♪』

笑顔で話しかけたら 王子さまスマイルのような眩しい笑顔で返された!

カ「やはり 可愛らしいな ハハッ」

そう笑いながら 会場の中に消えていった

王「シュリ アイツには近づくな」

カイルさんの後ろ姿を見ながら王様が
アタシにだけ聞こえるぐらいの小声で言う

『ん?王様と仲が良いんじゃないの?』
コテンと首を倒しながら聞き返すが

王「何でもない…私から離れるなと言うことだ…」

『はーぃ』

これ以上聞いても王様は答えてくれなそうだったので ここはおとなしく返事をし
ジュースを注いで席に戻ろうとした


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