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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第11章 心の籠


王様side

毎日毎日飽きもせず…
煩い大臣どもの小言がようやく切りがついたので 休憩がてらシュリの様子を見に行こうと思った

天啓の日から部屋から出るなと言ってある
この国で人間がフラフラしていたら城内であっても食われるだろう
私の部屋なら無闇に入る者もいない

だがしかし 先日の賊の事もあるので結界を二重に増やしておいた

なのに 何故こんな所にいる?
機嫌が良いのか微妙に弾みながら歩いているのを見て 無意識に口の端が上がってしまっていた

いかん!見てる場合ではなかった
呼ぶよりも先に壁の窓枠から手を出しシュリを抱え込んだ

まったく 何を考えているのか…
そんな無防備では食われてしまうぞ
それなのにキュクやロプスの心配をするとは 何処までお人好しなのだ


しかし…コテンと傾けたその顔は…///

いかんぞ!

そんな顔をされては怒る気もなくなるではないか

取り敢えずはシュリを部屋までは連れて行こう
本当は鍵でもかけた籠にでも閉じ込めておきたいが…
誰の目にも触れられぬように

言えぬ言葉を飲み込み 変わりに頭を撫でるフリをして素肌をシュリの頬に触れさせる 気付かれぬ様に一瞬だけ…


自分以外 誰も触れぬように 柄にもなく
願ってしまう…
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