第11章 心の籠
王「シュリ そこで何をしている」
通路を隔てている反対の窓枠から王様に引っ張られて抱っこされてしまった
ロプ「お、王様!」
ありゃ…キューちゃんとロプちゃん 毛?が逆立っちゃってるょ
王「貴様らは見張りもできんのか…」
『ごめんなさい王様 アタシが勝手に部屋を出たのを二人が追いかけてきてくれたの…
怒らないで?』
コテンと首を倒して王様の顔を覗きこんだ
王「ツッ…とにかく部屋へ戻るぞ 少し下がっていろアヌビス 」
ア「……はっ…」
王「部屋から出るなと言ったであろう… 此処にいれば心配はないのに 何故言うことを聞かん」
『それはわかってるんだけど…暇だったから…ゴメンナサイ…』
王様が心配になって なんてアタシが言っても
余計に心配かけちゃうのはわかるから言わないでおこう…
王「部屋からは出るな 暇なら自分の鬣でも数えていろ」
『羊の数を数えるみたいだね 寝ちゃうよ…ってアタシ鬣ないし…』
アタシの頭を一撫でしてまた部屋を出ていってしまった
撫でてくれたとき また肉球が頬に触れる
一瞬だったけど 温かく柔らかい感触は相変わらず離れがたいよ…
王様がいなくなった部屋に一人
頬の熱が消えないように自分の掌を当てた