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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第9章 天啓 ~生贄~



月が輝く

瘴気の雲が晴れた空


"天啓"




最後の夜がやって来た…






村からここに連れてこられた時より豪華な衣裳を着せられて部屋に一人ぼっち…

『お姫様みたい…』

壁の大きな鏡に自分の姿を写し
ボソッと呟いてみた

普通に学校に通い普通に生活していただけなのに事故に遭って 何のためにこの世界に来たんだろ?
死ななかったのはラッキーだったけど
生贄はないだろ…

いつの間にかギュット握った掌を開くと ドレスのスカートにシワが出来ていた…





おばあちゃん大丈夫かな…
無理してないといいけど




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