• テキストサイズ

温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第7章 異な国


『あっ ごめんなさい すっごく気持ちよかったからつい テヘッ』

王「…」

久々に暖かい何かに触れたような気がした
肉球にすり寄りながら

『…アタシは…異世界から来ました。』

王「何を言っておる…」

『元の世界で事故に遭って 多分死んじゃったんだよね 気がついたらこの世界にいました』

爪に入っていた力が抜け首からは離れたが 肉球はまだ頬にくっつけたまま
アタシの話を黙って聞いてくれている。

『それでもとっても優しくしてくれた人達はいたけど…この世界にアタシの居場所はないと痛いほど身に染みました…だから帰る場所もない 貴方に食べられてそれでおしまい それでいいの』

一瞬 王様の手に力が入った気がした

王「人間の娘 名は?」

『アタシはシュリ 王様は?』

王「名は…ない」


王「供儀は この国の瘴気が晴れる"天啓"の夜…お前は面白い 特別にそれまで私の側に置いてやろう…」










王様side

この娘を見ていると何故だか落ち着かん…
今まで数多の生贄が連れてこられたが何かが違った。

しかも異世界からから来たと…

"手元に置きたい"

そんな感情が沸いてきて 側にいることを許してしまった。
また アヌビスの小言が煩いだろうが
まあ…良いだろう
どうせ"天啓"の夜までだ…
その日になれば


…また…同じ事を…
繰り返すだけだ…




/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp